場所は、関東地方の中でも有数のベッドタウン。新興住宅地。
高級住宅が立ち並ぶその地域に、ポツンと一軒だけボロボロの空き家が建っている。
庭は雑草であふれ、人が住んでいる気配はない。

まるでその空き家だけ昭和にタイムスリップしたかのような雰囲気だ。
明らかに周りから浮いている存在。

以前から、周辺の住民からは、苦情が絶えなかった。

「この地域にはふさわしくない建物だ。景観を悪くしている。」
「ああいう家があると、治安の悪さにもつながらないか?」
「誰も住んでいないなら、壊すべきだ。」

だが、何年経っても改善されることはなかった。

そして、最近では、ひそかにこんな噂が広まるようになってきた。

「あのボロ空き家には、実は人が住んでいる。」

「家を売ることに関する質問をポストに入れると、後日、ものすごく的確なアドバイスが書かれた手紙が来る。」

という噂だ。

確かに、このあたりは、「住みたい街ランキング」上位の常連であり、物件の売買も盛んに行われている。家を売ることに関して悩みを持っている人も多いことが容易に想像できる。

こう考えると、このボロボロの空き家が、この地域で取り壊されることなく存在し続けている意味があるようにも思えてくる。

実際に質問をいくつか入れてみて、噂が本当かどうか確かめてみることにした。

すると・・・。