家を買う時は大半の人がローンを組むことになるでしょう。
それも、20年や25年など、長い返済計画を前提にしている場合が一般的です。

しかし、転勤・家族の介護・離婚など、ライフステージの変化による住み替えが生じた場合、ごくまれにローンが残っているのに家を売らなければいけない事態も起こりえます。
場合によっては、数カ月単位で家を売却したり、ローンの扱いを決めたりなど新しい家を買うか借りるかしないといけなくなるでしょう。
それだけに、家を売りたいという気持ちだけで突っ走るのではなく、しっかりとした知識をもって物事を進めていくことがなによりも重要になります。

しかし、実際、ローンが残っている家を売ることは出来るのでしょうか?
知っていただきたいポイントをケースごとに整理してみました。

ローンが残っている家を売却するための条件

ローンが残っている家を売却するための条件として、「抵当権抹消登記が完了していること」があげられます。
つまり、抵当権がはずれているという意味です。

ここで、抵当権について説明しましょう。
わかりやすくいえば、「ローンの返済が滞った時に、金融機関が家を代わりに売ってしまい(競売)、そのお金をローンの返済に充ててしまう権利」のことです。

抵当権が残っているということは、元の住人=売り主がローンを返済出来ずに金融機関が家を代わりに売ってしまう可能性があるという意味になります。
もし、新しく家を買う人=買い主がそれを知らずに家を買ってしまい、売り主がローンを返済しなかったとしたら、どうなるでしょうか?

買い主は住む家がなくなってしまうわけです。
そんな状態の家を買いたい人などいません。

現実的にも、抵当権がはずれていることが家の売却条件になっています。
ローンが残っている家を売却するためには、なんらかの形で抵当権をはずすプロセスが必要になるのです。

もちろん、ローンを一括返済出来れば一番いいのですが、突然の出来事が原因で住み替えを余儀なくされる場合は、そんな資金もないのが現実でしょう。
そこで、一括返済以外の方法でのローンの扱いについて、考えてみましょう。

売却相場を一括査定で正しく把握することが重要

ローンが残っている家を売却する場合、離婚など急ぎの事情が背景にあることも少なくありません。
その場合、「いかに家の売却を早く進めるか」が問題になりますが、そんなときは、家の売却相場を一括査定で正しく把握しましょう。

一括査定とは、複数の不動産会社に家を同時に査定してもらうことです。
近年では一括査定サービスといって、売却したい家の築年数、所在地、間取りなどをWebサイトのフォームに入力し、送信すれば複数の不動産会社から簡易査定の結果が送られてくるというサービスがあります。
インターネット環境があるなら、空いた時間を活用して情報が得られるのでとても便利です。

このサービスを使って、出来る限り高値で売却出来そうな不動産会社を選び、一括返済を目指しましょう。
その際、気をつける点は「いきなりひとつの業者に絞り込まない」ことです。

不動産会社の担当者の中には、自分の会社で契約を取りたいからという理由のみで、根拠もなく高い査定額を提示してくる業者もいます。
もちろん、本当にその査定額で売却出来れば問題はないのですが、査定の根拠がない以上、売却にいたらないケースもあります。

こういった業者に任せてしまった場合、「早く」「高く」売却するのをあきらめざるを得ません。
やはり、いくつかの業者を比較し、「ここなら根拠もちゃんとしているし、信用出来そう」と思える業者を絞り込みましょう。

そして、一括査定で絞り込んだ業者には実際に物件を見てもらい、正確な査定額を把握してから次のステップに進んでください。
急いでいる時こそ、冷静になるのがとても大事です。

家を売却しても一括返済出来ずローンが残る場合の補填方法

無事に家売却の話が進んだとしても、ローンが一括返済出来ない場合もあり得ます。
その場合に取りうる手段を2つご紹介しましょう。

  • 1つ目は、「買い替えローン」です。

このローンの特徴は、「ローン返済のための不足額+住み替える家の価額+諸費用」で借り入れが出来ることです。
通常のローンは家を買うために必要な金額だけを借り入れする仕組みですが、買い換えローンの場合は商品の特性上、借入金額の上限が高くなっているのです。

そのため金融機関にとっては回収出来ないリスクも大きくなる商品であるともいえます。
さらに通常のローンに比べて審査が厳しい点がデメリットです。

  • 2つ目は、「無担保ローン」です。

これは、文字通り「お金を借り入れするために担保が必要ないローン」です。
一方で、金融機関側にとっては担保がない以上、やはり相応のリスクを負うため、金利は高めに設定されていることが多く、借り手にとってはデメリットといえます。

もし、これらのローンを検討する場合は、金融機関の担当者と話し合い、返済シミュレーションや資金繰り計画をしっかりと協議していくことが重要といえます。
商品の性質をよく理解してから契約を進めましょう。

それでも滞納が発生しそう、もしくは滞納が続いている時は

ここまでご紹介してきた方法を用いることが出来ない場合、どうすればいいでしょうか?
最終的には、これから紹介する2つの手段を取る方向で考えてみるとよいでしょう。

1つ目は、「競売」です。
わかりやすくいえば、金融機関が家を差し押さえて売ってしまい、返済が滞っているローンを回収してしまうことです。
競売が行われてしまうと、相場より安く売却されてしまううえに、かなりあわただしく家を出ていかなければいけません。

また、競売情報は官報やインターネットで公開されるので、親族やご近所に知られて、心配やあらぬ噂の原因にもなってしまいます。
では、競売を避ける方法はないのでしょうか?

そこで取りうる方法が、「任意売却」です。
これは、金融機関の承諾を得て、不動産を売却する制度をいいます。競売よりは高く売れる可能性が高いうえに、引っ越し代や引っ越し時期もある程度余裕をもって決められるのが魅力です。
また、情報開示されることもないため、心配やあらぬ噂の原因にはなりえません。

ただし、任意売却はローンを滞納している事実が前提となっている制度のため、利用をしている時点でローンを延滞した記録が信用情報機関に事故情報として残っているため、クレジットカードやローンの契約に影響が出るでしょう。

さらに、任意売却を行ったとしても、決してローンの残高がなくなるわけではありません。
残ったローンの扱いをどうするかも、しっかり決めて金融機関と協議していく必要があります。

一番いいのは、「ローンが残っている状態で家を売りたいけど、すぐにローンを返済出来そうにない」と感じた時点で、1度金融機関の担当者と話し合いの機会を作るとよいでしょう。
現状を把握し、一番いい方法を提案してくれるはずです。

ローンが残っている家を売る場合は高く早く売れる信頼出来る業者選びが重要

ローンが残っている家を売る場合の注意点について説明しました。
一番大事なことは、高く早く売れる信頼出来る業者選びをし、スムーズにことが運ぶようにしてもらうことでしょう。

そうはいっても、普段から不動産会社と付き合いがない方は、どうやって選択すればよいかわからないはずです。
そんなときは一括査定サイトを使えば、査定結果を通じて信頼出来る業者選びにつなげやすいので、ぜひ活用してみてください。