マンションも築年数に応じて資産価値には変動があります。
一般的には築年数が10年を超えると資産価値が下がりやすいと言われています。

築30年以上のマンションは内装の傷みも気になりますが、マンションを中古で購入する場合は建築時期で異なる耐震基準も判断のポイントとする人もいます。
売却する時はリフォームか値引きのどちらが売りやすいかも検討しておきましょう。

築30年以上のマンションってどのくらいあるの?

首都圏を例にとってみると、売却された新築物件から中古物件までのマンションの中で築30年を超えるものは全体のおよそ2割を占め、年々その割合は緩やかな増加傾向にあります。
これに対し、新築から築5年以内のものは全体の約1割に留まっており、こちらは年々減少傾向がみられます。

もっとも多いものが築6年~10年のマンションで全体の2割を超えており、この割合には大きな変動はなく、安定した需要量を保っていることがうかがえます。
築11年~30年以内のマンションに関しても割合には大きな動きはみられません。

築30年以上のマンションの増加は近年その老朽化が問題視されている部分もありますが、老朽化の問題以上に狭い間取りが現代の生活に合わないことでリフォームされたものが手ごろな価格で販売されるケースが増えていることも、購入の割合が増加している理由と考えられます。

その一方で、築30年以上のマンションの売却件数が増加していることで気になるのは、耐震面の問題です。
東日本大震災を始め近年は大規模な地震がいくつか発生していることもあり、耐震構造がどうなっているかという点を購入判断の基準にしている人も多く、築年数が経過するほど懸念要素として高いものになります。

耐震基準は1981年に改正されているので、1981年以降に建てられたものなら大きな地震でも倒壊の可能性はかなり低いものになっています。
阪神・淡路大震災の時にも1981年以降のマンションに関して倒壊したというケースは確認されていません。

築30年以上のマンションの資産価値の図り方とは

築30年以上のマンションを売却する時には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
まずひとつは立地の問題です。

これは築年数や建物の種類に関係なく売却の際には査定を左右するものですが、築年数が経過している古いマンションであれば立地がよいということはかなり強みになります。

駅から近いことや幼稚園や小学校までの距離、スーパーやコンビニなど生活圏内に必要なものがどれくらいそろっているかで築年数をカバーすることもできます。

次に容積率が十分にあることです。
容積率とは敷地面積に対して延べ床面積がどれくらいの割合を占めているかということですが、売却を考える時には確認しておきましょう。

そして、マンションの修繕積立費が十分であるかも査定に影響します。
分譲マンションには通常修繕積立費があり、共用部分の修繕費として住人全員で積立していくものですが、いざ修繕が必要になった時に十分ではない場合もあるのです。

また、管理組合がしっかり機能しているかどうかもマンションの価値を決める要素になります。
管理組合はマンションの建物や設備の維持、ルールに関することなどを決める重要なものです。

管理組合がしっかりしていないマンションに入居することは、修繕が必要になった場合やマンション内で何か問題が浮上した時にも解決されにくいことが予想されます。
管理組合が機能しているかどうかもマンションの価値に影響します。

築30年以上の古いマンションを売却するには、建物自体に価値を見出すのは難しいと考えるのが妥当です。
その分、立地のよさや容積率、そして十分に修繕積立費があるなど、建物以外の条件にどれだけ価値があるかで売却条件は変わると考えておきましょう。

マンションの耐震基準を確認しよう

中古マンションを購入する人にとって、耐震構造は気になる問題のひとつです。
大規模な地震が頻発している現状では、高層マンションであればなおさら気になる部分ではないでしょうか。

築30年以上経過しているマンションは、耐震基準がどうなっているかで売却の条件は変わってきます。

耐震基準には「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2つがあります。
現代日本にあるマンションのほとんどは、この「旧耐震基準」と「新耐震基準」のいずれかの基準に基づいて建てられたものです。
この違いを知り、自分のマンションがどちらに該当し、どれくらいの地震に耐えられる可能性があるのかを把握しておきましょう。

「旧耐震基準」は1951年に定められた建築基準法です。
日本で耐震基準が設けられたのは1924年が最初で、これは関東大震災が発生したことをうけてその翌年に定められたものでした。
「旧耐震基準」はそれをさらに見直したものですが、近年頻発している規模の大きな揺れまでは考慮されておらず、中規模な地震に対しての基準に留まっています。

そして、1981年に改正された「新耐震基準」では、震度6強にも耐えられる大規模な地震を想定した基準へと変わっています。
耐震基準の大きな改正は主にこの「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2つですが、1981年以前にも大きな地震が起こる度に何度か細かい部分の見直しはされています。

築30年以上のマンションであれば、建てられた時期によっては「旧耐震基準」で建てられている可能性も出てきます。
仮に「旧耐震基準」だからといって大きな地震で必ず倒壊するというものではありません。

マンションが建っている地盤や建物の管理にも左右される部分はあります。
しかし、購入者にとっては「旧耐震基準」と「新耐震基準」では安心感も変わりますし、売却価格にも影響します。
不明な場合はどちらで建てられているか確認しましょう。

売却前にリフォームするのと値引きするのはどちらがいいの?

築年数が古いマンションの問題点は、耐震を始めとした構造面もありますが、見た目の印象が査定に反映されやすいことです。
築30年以上のマンションは1室の広さが十分ではないことも多く、浴室やトイレなどの水廻りの老朽化に加え使い勝手の悪さなども買い手が躊躇する原因になりやすい傾向があります。

しかし、現代では使用されていないレトロなドアや窓などに魅力を感じる人もいることで、リフォームの際にはドアや窓はあえて同じものを使用するという方法で若い層を中心に販売数を伸ばしている例もみられます。

リフォームをすることは、見た目の印象で購買意欲を駆り立てるという点では大きなメリットがあるといえます。
しかし、リフォームをすることで必ず売れるわけではありません。

耐震基準や躯体さえしっかりしたものであれば、古いマンションを安く購入して自由にリフォームを楽しみたい人がいることも確かです。
自分でリフォームを楽しみたい人にとっては、事前にリフォームをしておくことは購入を迷ってしまう要素になることも考えられます。

そういう人にとってはリフォームよりも値引きにメリットを感じるということも念頭に置く必要はあります。

住居に対する考え方は人それぞれです。
家族構成や職業によっても異なります。

実際にはどんな人がマンションを購入してくれるかでどこまできれいにリフォームをするか、またはリフォームせずに値引きをするかはケースバイケースで決めるのが妥当かもしれません。

築30年以上のマンションは、立地や面積、耐震基準などに価値が見込めるものであれば、内装は実際の買い手に合わせてリフォームをするか値引きするかを柔軟に対応することで、十分売却は見込めるのではないでしょうか。